韓国は日本以上に上下関係が厳しい国と言われています。
例えば、
「母が私に"帰ってきなさい"とおっしゃったので、今度の週末は帰ろうと思います。」
のように他人に自分の両親のことを話す時も尊敬語を使いますし、
先生のことは『선생님(ソンセンニム)=先生(様)』と呼び、
「先生が丁寧に教えてくださるから、なんとか勉強にも付いていけるけど・・・」
のように友人同士で先生に関する会話をする時も必ず尊敬語を使うんです。
日本ではこのような表現をしないので慣れるまでは大変ですね。
尊敬語は基本的に『語幹+시다(シダ)』あるいは『語幹+세요(セヨ)』を使って表すことができるのですが、いくつかパターンがあります。
【現在形】
다음 콘서트, 가시나요?
(タウム コンソトゥ, カシナヨ?)
(次のコンサート、行かれますか?)
영어를 잘 하시는 분은 있으세요?
(ヨンゴル チャラシヌン ブヌン イッスセヨ?)
(英語がお上手な方はいらっしゃいますか?)
【過去形】
아버님은 어디 가셨습니까?
(アボニムン オディ カショッスムニッカ?)
(お父様はどこに行かれましたか?)
응원 해주신 여러분들에 감사드립니다.
(ウンウォン へジュシン ヨロブンドゥレ カムサドゥリムニダ)
(応援して下さった皆さんに感謝申し上げます。)
過去形の場合は『셨』、過去形かつ連体形の場合は『신』を使ってください。
他にも単語そのものの形が変わるものもあります。
少ししかないのでまとめて覚えてしまいましょう。
原形 尊敬語
있다=ある/いる 계시다=いらっしゃる
(イッタ) (ケシダ)
없다=ない/いない 안 계시다=いらっしゃらない
(オッタ) (アン ケシダ)
말하다=言う 말씀하시다=おっしゃる
(マラダ) (マルスマシダ)
주다=あげる/くれる 드리다=差し上げる
(チュダ) (ドゥリダ)
자다=寝る 주무시다=お休みになる
(チャダ) (ジュムシダ)
먹다=食べる 드시다=お召し上がりになる
(モッタ) (ドゥシダ)
만나다/보다=会う 뵙다=お目にかかる
(マンナダ/ポダ) (ペダ)
죽다=死ぬ 돌아가시다=お亡くなりになる
(チュッタ) (トラガシダ)
中でも
◇◇님이 계셨어요.
(◇◇ニミ ケショッソヨ)
(◇◇様がいらっしゃいました。)
어머니가 말씀하셨어요.
(オモニガ マルスマショッソヨ)
(お母さんがおっしゃいました。)
고기도 많이 드세요.
(コギド マニ ドゥセヨ)
(お肉もたくさん召し上がってください。)
のようなフレーズはよく使うので覚えておいてください。
そして日本人にとってはびっくりなことが一つ。
日本語では「は」や「が」が丁寧な形に変わることはありませんよね。
しかし、韓国語の場合はこれらの助詞も敬語にすることができるんです。
【〜は=〜께서는(ッケソヌン)】
通常→선생님은 얼마전에 이사를 했다고 해요.
(ソンセンニムン オルマジョネ イサル ヘッタゴ ヘヨ)
(先生はこの間引っ越しをしたそうです。)
丁寧→선생님께서는 얼마전에 이사를 하셨다고 합니다.
(ソンセンニムッケソヌン オルマジョネ イサル ハショッタゴ ハムニダ)
(先生はこの間お引っ越しをされたそうです。)
【〜が=〜께서(ッケソ)】
通常→항상 언마가 도와주었어요.
(ハンサン オンマガ トワジョッソヨ)
(いつもお母さんが助けてくれました。)
丁寧→항상 어머니께서 도와주셨습니다.
(ハンサン オモニッケソ トワジュショッスムニダ)
(いつも母が助けてくださいました。)
【〜に=〜께(ッケ)】
通常→아빠에게 솔직히 털어놓았어요.
(アッパエゲ ソルジキ トロノアッソヨ)
(お父さんに正直に打ち明けました。)
丁寧→아버지께 솔직히 털어놓았어요.
(アボジッケ ソルジキ トロノアッソヨ)
(父に正直に打ち明けました。)
ちなみに、名詞では「밥(パブ)=ご飯」を『진지(チンジ)=お食事』に変えたり、
「저 사람(チョ サラム)=あの人」を『저 분(チョ ブン)=あの方』という言い方に直す場合も。
日本に来ている外国人の方がこのような尊敬語を使って話していると「すごい!」といつも感心させられます。
異国とはいえども綺麗な言葉遣いを心がけることは大切なことですよね。
色々なパターンがあって非常にややこしいですが、尊敬語にも少しずつ慣れていきましょう。
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